トルコ






Turkey
国 名 トルコ共和国
首 都 アンカラ
人 口 6662万120人(2000年推計)
面 積 77万9452km2
民 族 トルコ人、クルド人
言 語 トルコ語 (公用語)
宗 教 イスラム教 (主にスンニ派)
土耳古







Dance

 民族舞踊の多くは共同体の絆を強めるための集団舞踊です。
 ほとんどの踊りが結婚式や祭りで踊られますが、イスラム社会の常として、
 一般に他人の男女が一緒に踊る地域は少なく、男女別々か、必ず身内の者を間にはさんで連手します。
 トルコの舞踊のポイントは、何といっても足さばきです。
 つまり、多様なステップの面白さにあります。
 地域によって、衣装も踊り方も異なりますが、概してしっかりと手をつなぎ、
 鎖のように列を作るものと、一人ずつが両手をあげるもの、2人で相対するものなどがあります。
 日常生活の仕事の振り、動物や鳥の動作など、その内容の説明がつくものもあれば、
 別に意味はなく、みんなでステップを踏むことが目的の踊りも多くあります。
 踊りの伴奏音楽の旋律は、主に7音音階に基づきますが、古典音楽と同様に、
 民俗音楽でも増2度音程や半音より狭い微小音程を含みます。
 また、拍子は種類も多く、バルカン半島の音楽とも相通じます。
 つまり、5拍子、7拍子、9拍子などの変則拍子が多く見られます。
 たとえば、9拍子はアクサック [aksak] と呼ばれ、
 西部エーゲ海地方の男性の踊りゼイベックのリズム型で代表されますが、
 2拍と3拍の組み合わせ(2+2+2+3)で、4拍子の最後の拍がちょうど1.5倍長くされた結果、
 そこでつまずくような効果を生じます。
 こうした2と3の組み合わせのリズム型から、5、7、8(3+3+2など)、
 9、11拍子といった付加的リズムが踊りの中にたくさん取り込まれ、
 トルコの踊りのステップを豊かで複雑なものにしています。
 こうした変則拍子の場合、踊り手は拍ごとにステップを踏むことはありません。
 7拍子の場合、7つのステップを踏むのではなく、
 (3+2+2)のパターンでは、最初の3拍に一歩の間の長いステップ一つと、
 続いて2拍に一歩のステップを2つ行います。
 つまり、スロー、クイック、クイックというリズムにてステップを踏みます。
 他の変則拍子においても同様で、9拍子の (2+2+2+3) の場合は、
 クイック、クイック、クイック、スローのリズムでステップを踏みます。
 伴奏楽器は専ら太鼓(ダウル)とオーボエ系縦笛(ズルナ)が一組で用いられます。

●Halk Oyunlari
 トルコ語で民族舞踊をハルク・オユンラルと言います。
 踊りは、オユン[Oyun]と言いますが、これは、単に踊りという意味だけでなく、
 広く「遊び、ゲーム」の様な意味を持ちます。


●カシュク・オユヌ [Kasik Oyunu]
 アナトリア中南部地方で踊られているスプーン・ダンスです。
 木のスプーンは、両手の内側に2本ずつ背中合せに持ちます。
 取っ手の部分がまるでウサギの耳のように突き出ます。
 カスタネットのように、スプーンを打ち鳴らしながら踊ります。

●カルシュラマ [Karsilama]
 黒海沿岸地方で踊られている9拍子の踊りです。

●クルチュ・カルカン [ kilic kalkan ]
 オスマンによる街の支配を題材にした、剣と楯を使ったブルサのダンスです。
 男性舞踊で、初期のオスマンの軍服を着て踊ります。
 音楽は使わず剣と楯の触れ合う音に合わせて踊ります。

● シルトー [Syirto]
 ギリシャのシルトスのトルコ版。チェーン・ダンスです。

●ゼイベック [Zeybek]
 西部・エーゲ海地方で踊られている舞踊です。
 男性舞踊が中心ですが、女性も踊ります。
 集団で踊りますが、連手することはなく、両手を上げてホールドして踊ります。

●セマー [ Sema ]
 フォークダンスではありませんが、テレビなどでよく紹介されるイスラム神秘主義教団(スーフィー)の回転舞踊です。
 かつては宗教儀式のための踊りでしたが、現在では観光客相手の見せる踊りになっています。

●チフテテリ [ Ciftetelli ]
 ロマ(ジプシー)の踊り。
 ベリーダンスとは、本来まったく別の踊りです。

●バール [Bar]
 東部の踊りで、アルメニアの踊りとの共通点が多くみられます。
 チェーン・ダンスが主です。

●ハライ [Halay]
 アナトリア中南東部地方で踊られているライン・ダンスです。
 中央地方のハライはゆっくりとしたものが多く、南東部のものは速いリズムで踊ります。
 南東部のハライはクルド系です。
 基本的は、連手を下げ隣の人と体側が触れるほどに接して並び、両端の二人はハンカチを持ちます。

●ホラ [Hora]
 ヨーロッパ部地方(トラキア地方)で踊られている踊りで、チェーン・ダンスが主流です。
 ブルガリアやギリシャの踊りとの共通が見られます。

●ホロン [Horon]
 黒海沿岸地方で踊られている速いテンポの7拍子の踊りです。
 一列に並び、隣の人の手をしっかり握って、速いステップの足さばきで踊られます。
 トルコ各地の民族舞踊の中でも難しいものの代表で、一人でも狂えば隣の人の足を蹴飛ばすことになってしまいます。
 ホロンでは、列の中心に位置する人がリーダーで、かけ声をかけ、踊りを変える合図を出します。
 男性の衣装は騎馬民族風です。
 伴奏には、バイオリンの一種であるケメンチェがつかわれます。