イングランド |
イングランドとは、「アングロ部族の国」の意味です。 日本人が、イギリスと呼ぶのは、ポルトガル語の「イングレス」からとっています。 漢字で、「英吉利」と書くのもこのポルトガル語の「イングレス」からの表記です。 |
●フォークダンスの種類 |
●イングリッシュ・カントリー・ダンス [English country dance] |
英国の踊りの意味。 |
イングランドの伝統的グループ・ダンスで、16世紀ころから盛んに踊られています。 |
「イングリッシュ・ダンシング・マスター」は、 1651年に、英国ではじめて出版されたカントリー・ダンスに関する音楽書で、 ダンス誌では世界最古のものとして、大英博物館に保存されています。 著作は、ジョン・プレイフォード氏 [John Playford] (1623-1686)で、 17世紀に活躍した音楽家です。 この本は曲(楽譜)だけでなく、ダンスの実際の踊り方をも記したもので、 日本でも踊られている曲では、ダーガソン、ギャザーリング・ピースコッズ、ニューカッスルなどがあります。 |
「イングリッシュ・ダンシング・マスター」・・・第一刷 第二刷 |
この 「イングリッシュ・ダンシング・マスター」によって、 イングリッシュ・カントリー・ダンスは、英国中に普及しました。 貴族から平民まで、国中が夢中になって踊ったのです。 しかし、元は同じ楽譜、解説書でも、貴族には貴族の、平民には平民の好みがありますので、 曲の感じや踊り方の雰囲気などに変化が生じました。 貴族の踊るカントリー・ダンスと平民によるカントリー・ダンスは、まるで別物のように異なる結果となりました。 |
その後、他の出版社からもダンス誌は発行され、1810年までに、約2000曲の踊りが紹介されたとのことです。 |
17世紀末、イングリッシュ・カントリー・ダンスは、海を渡りフランスへと伝わり、 メヌエットに飽きていた貴族達に普及しました。 カントリー [Contry] では、「田舎」の意味があり、宮廷での舞踊の名称にふさわしくないとして、 対称の意味のある「コントル」を選び、フランスでは、「コントルダンス」という名称がつけられました。 コントルダンスは、ドイツ、イタリア、スペインにも伝わり、ヨーロッパ中に流行しました。 コントルダンスから生まれたコチロン、カドリールが流行するまで、 コントルダンスは舞踏会の花形として踊られました。 一方、メイフラワー号でアメリカに渡った人々が、移住の地にニューイングランドと名づけ、 その地でイングリッシュ・カントリー・ダンスを踊りました。 名称を、「コントラ・ダンス」に変え、より多くの人が楽しめるように、 コーラーが踊りの順番を伝えながら踊る方法が発展しました。 |
18世紀に始まった産業革命によって、急速に工業化が進み、 人々は踊りから離れていき、イングリッシュ・カントリー・ダンスは急激に衰退しました。 次にイングリッシュ・カントリー・ダンスが、脚光を浴びたのは、 20世紀、英国の歌と踊りの研究家であるセシル・シャープ氏により、 衰退していたカントリー・ダンスが再び踊られるようになってからです。 |
サークル、スクエア、コントラなどの隊形がありますが、大部分がコントラ隊形の踊りです。 コントラ隊形の踊りは、スコティッシュ・カントリー・ダンスと異なり、 通常数十組によるカップルで隊形をつくります(スコティッシュは通常4カップル)。 |
社交を目的にした踊りなので、みんなと交流の出来るようなフィギュアで踊ります。 ステップは簡易なもので、ウォーク、スキップ、スライドが中心です。 |
○イングリッシュ・カントリー・ダンスの映像 |
○イングリッシュ・カントリー・ダンスの歴史 |
●オールド・タイム・ダンス [Old time dance] |
19世紀から20世紀初頭までのボールルーム・ダンスです。 カップルの踊りで同一のシークエンスをもち、パートナー・ミクサーするものも少なくありません。 フォークダンスと現代の社交ダンスの中間に位置するもので、英国の社交ダンス関係の人々によって、研究、整理されています。 |
○バレッタ・ワルツ [ Valeta Waltz ] |
○プライド・オブ・エリン・ワルツ [ Pride of Erin Waltz ] |
音楽は、アイルランドの「アイルランドの子守歌」ですが、踊りはオールド・タイム・ダンスに属します。 |
○ラ・リンカ |
●モリス・ダンス [Morris Dance] |
モリス・ダンスとは、男性グループによる伝承ダンスです。 通常、6人のダンサーと1人の道化(フール)、アコーディオン演奏者の8人でチームをつくります。 フールは、観客に対して挨拶を述べたり、ダンサーに絡んで場を盛り上げます。 もっとも歴史のあるコッツウォルズ地域の衣装は、 白い衣装をリボンで飾り、白いズボンの裾に鈴を沢山つけます。 モリス・ダンスには、両手にハンカチを持って踊る「ハンカチーフ・ダンス」と 棒を打ち鳴らしながら踊る「スティック・ダンス」があります。 モリス・ダンスは、中世の農耕儀礼に由来するともいわれ、中世には各村にモリス・ダンスのチームが存在していたようです。 現在でも、May Day の時を中心に踊られています。 |
●ソード・ダンス [Sword Dance] |
剣舞。 5〜8人が剣をかついで、色んなフィギュアを踊ります。 |
●メイ・ポール・ダンス |
5月1日に、どの村里でも踊られる、春を迎えた喜びの踊りです。 花やリボンで飾ったメイポールを中心に、美しい衣装を着飾って踊り楽しみます。 |
●2008-11-22-000 |
●2009-07-15-001 |