右手回り





 右手回り、左手回りは、グループ・ダンスではよく出てくるフィギュアです。
 右手を連手して、二人で右回りをするのが右手回りなのですが、より美しく踊るための方法をご紹介します。右手回りは、カップル・ターン導入の際の理論と実地においても役に立ちますので詳しく説明いたします。


●準備
 カップルで約2メートル離れ、向かい合って立ちます。
 右足でスタートする場合、前小節の最後に準備として、左足に体重を移し、膝の力を抜いておきます。
 そして、男性はパートナーに、「今から右手回りを始めますのでよろしく」の意味を込め、目でコンタクトをとります。女性は合図をもらったら、「こちらこそ、よろしく」の意味を込めてアイ・コンタクトを返します。

●第1拍
 右手を胸の前に伸ばして上げます。その時、手のひらを下にして、肩、肘、手首の力を緩めます。中指から肘までは、なだらかな弧を描きます。右手を上げるときのイメージは、手の甲を糸で吊られて上げる感じです。右手を上げるにつれて、左手を後ろに引くようにし、右手から左手までを一直線にする様にします。この時も、肩、肘、手首の力を緩めます。そうすると、上体が左を向いて胸を開いた型になります。
 同時に右足を左斜め方向に出します。この方向は、二人の手を結んだ位置を中心とし、中心から足の位置までの直線を半径とした円の円周上です。パートナーに向けてまっすぐに足を出すのではなく、左斜め前方になります。
 右手を相手に伸ばしていき、背の低い方の肩の高さ位で手をつなぎます。手の甲をやや右に向け、人差し指の背が真上を向く様にし、手首から指先までを丸くします。その状態を各々がホールドし、少し引っ張る様にして手を結びます。この時の状態は、手を握るのではなく、糸をつけた釣り針2本をお互いに引っかけて、それぞれの糸を逆方向に引っ張り、空中で吊り合わせる感じです。これは、二人がきちんとホールドをし、手を結んで円外方向に引っ張る感じを作らなければ出来ません。
 連手が出来たら、顔はパートナーを向き、骨盤は円周上の進行方向に向けます。

●第2拍〜第5拍目
 右手をホールドし、顔をパートナー、骨盤を円周上の進む方向を向け、回転を続けます。手には軽く遠心力がかかっています。女性の左手はスカートを持つか、右手の延長線上に伸ばして上げます。肩、肘、手首の力は抜き、手のひらを下でホールドします。男性の左手は、横に流すか、背骨の中丹田の裏あたりに5指を揃えて手の甲を当てます。

●第6拍〜第8拍目
 通常、右手回りは8呼間で完成させます。半回転の場合もありますが、一回転の踊りの方が多いのでここでも一回転の練習をしましょう。
 8呼間目で自分の位置に戻る様にフレーズをとって回ります。しかし、8呼間目には、元の自分の位置に戻る必要がありますので、6呼間目の左足の時には右手連手を外し、円周上から離れ自分の居た位置に戻る様にします。ただし、パートナーに背中を向けることなく、最大限にパートナーとコンタクトをとれるように動きます。かと言って、パートナーと向き合って、後ろに下がるような動きもしません。円周から外れ、7拍目に右足で相手を見る様に小さく右回りをし、左足を横にステップして元の位置に帰ります。

 重要なのは、手のホールドです。二人で美しいフォームを作り、釣り合った状態で回れば、心地よい回転となりますので、お試しください。
 以上は、基本的な回転の仕方ですが、イングリッシュ・カントリー・ダンスなどでは、連手の仕方が他にも色々とあります。

○手を合わせて回転する方法
 引き合うのではなく、手のひらを合わせて、相手を軽く押すようにして力のバランスを取ります。
○手を下げて連手する方法
 イングリッシュ・カントリー・ダンスで使われる手の取り方です。基本の連手を下げ、腕を下に伸ばした状態で手を結びます。

2008-11-07 001