ソロ・ターンの練習 |
ターンとは、回転すること、向きを変えることです。 |
ターンには、一人で回るものとカップルで回るものがあります。ここでは、ソロ・ターンの説明をします。 |
●ソロ・ターン |
一人でターンすることをソロ・ターンと言います。 |
ソロ・ターンでは、@回転軸 A股関節 B頭の振り C手の使い方 D上下動 E機動力 が重要です。 |
ここでは、右足からのスリー・ステップ・ターンを例にとって説明します。スリー・ステップ・ターンとは、3歩で右方向に回転しながら、右方向に進む動きです。通常は、3歩のステップは一直線上に着地します。 |
@回転軸 |
回転するとき回転軸は、左右2本の足にあります。すなわち、2本の回転軸があります。右足から3歩で右回りする時、右足、左足で回転し、右足で回転を止めます。2本の回転軸とは、両足を肩幅で開いた時、中丹田を始点とし、左右の足のボールを終点とする2本の軸のことを言います。中丹田とは、胸の位置で、みぞおちを引き上げる時に引っ張っている場所のことです。 |
回転をする時、右足から回る場合は、まず右足にステップし、右足の回転軸を使って身体を回転させ、次に左足にステップし、左足の回転軸を使って回転します。この2歩で一回転します。 |
A股関節 |
足はパラレル(並行)ではうまく回転できません。足先を60度位に開いて立った状態から始めます。足先を60度に開く時、つま先と膝を同じ方向に向けます。その時、股関節から、つまり足の付け根から足全てを外に回して、太もも、膝、つま先を一直線にして開く様にします。外に回すというのは、パラレル状態から両足の踵を閉じたまま、足先が開いていくように足の付け根から回すことです。股関節が固まってしまうとこの外回しは辛いかも知れませんので、いきなり大きく回すことは避けます。日頃から股関節のストレッチングをし、柔らかく使えるようにすることが必要です。 |
右足から3歩で右回りする時、右足を外に回すようにして右足ボールで右方向にステップし、その右足でピヴォットしながら、両足の角度を維持するように左足を横にステップ、さらに左足でピヴォットしながら、右足の股関節を外に回すようにして右足ボールで右方向にステップします。 |
B頭の振り |
ターンをする時は頭を揺らさないようにし、また目を回さないように動きます。 |
目が回らないように回転するためには、出来る限り周りを見ないことが肝心です。ソロ・ターンは、一点を見て回転を始め、ぎりぎりまできたら、頭をくるりと回し再び一点を見ます。身体の回転では、頭を最後まで残し、最初に回転を終わらせる様にします。練習の時は、カレンダーや花瓶などを見ながら、顔を残して回転を始め、ギリギリまできたら頭を回し、最初にその目印を見るようにします。踊りの時は、最後までパートナーを見て、首を振り、すぐにパートナーを見る様にします。 |
列車に乗り、近くの景色を見続けるのは困難であり、酔ってしまうかも知れません。遠くの一点を見ると景色が流れず、酔うことも少なくなります。 |
C手の使い方 |
回転するとき、身体の左右のバランスをとる必要があります。その時、手の位置は重要です。両手を気をつけの位置で維持したままでは、うまく回れません。胸の高さで右手を前、左手を横に、両手を伸ばして床に水平になる様に上げ、右手は手の甲を右方向に向けます。両手は伸ばしきるのではなく、肩、肘、手首の力を抜きます。回リ始める寸前に、右手を左に少し引き、その手を伸ばす力を使って回転を始めます。回り始めたら、左手を回転に乗せて曲げていき、胸の前に両手を持ってきます。手のひらを内側に向け、両手で扇形を作ります。つまり、両手の中指をつける様にし、両手を弧を描くようにして、腕は床と水平にします。これが回転途中の型で、回転の最後は最初のポウズに戻ります。 |
回転中は、独楽の原理で軸を保ち、両手を同じ高さにホールドすることが必要です。 |
D上下動 |
通常のターンは、ダウンの状態で準備し、ターン中は徐々にアップの状態、ターンが終わったらダウンに戻ります。頭の頂点を糸で吊られた状態をイメージし、ターンの時は上に引き上げられる様に回ります。 |
E機動力 |
ターンの機動力は、準備段階のダウンの際にためます。左足に体重をかけて膝を落として力をため、回転に移します。同時に上体を少し左にひねって、右手を左に引く様にします。左にひねった反動で上体を右に回転させます。 |
リズムの発信源は、中丹田です。準備段階でためて、1拍目で中丹田から波動が発するように、「ドン!」というイメージで頭の先、手の先、足の先からエネルギーが突き抜ける様にします。 |
以上が、スリー・ステップ・ターンの基本的な動作です。速いテンポでは歩幅を狭くし、ピヴォットを強く行います。遅いテンポでは、ピヴォットをあまり使わないようにします。 |
ターンのコツは、準備と1歩目の身体の動きです。この「アンド・ワン」という動きの練習をしっかりやれば、回転の感覚がつかめます。 |
ソロ・ターンには、スリー・ステップ・ターンの他に、バズ・ターン、ワン・ステップ・ターン(ピヴォット・ターン)、ピルエット・ターン、空中ターン、ホップ・ターンなど色々あります。 |
●2008-11-06 001 |