リードとフォロー





 リードとは、「他者の先頭に立って道案内をすること」、「他者を導くこと」、「案内・指導・主導・指示」のことです。ダンスの場合は、自分の意思を相手に伝える意味でのリードと言う言葉をよく使います。
 フォローとは、「補うこと」の意味で、リード&フォローの場合は、男性のリードに従い、お互いが動きやすいように気配りをして、なおかつ美しいホールドを保つことを言います。
 カップル・ダンスでは、基本的に男性がリーダーになります。男性の合図に従い、女性は踊ることになります。


●リードとフォロー
 カップル・ダンスは、男性のリードと女性のフォローという意思の疎通を大切にします。男性はダンスのリズム、フィギュア、順番、方向などの合図を女性に送り、女性はそれに応じます。各々が勝手に動くと、踊りの連携がなくなり、バラバラの踊りになってしまいます。
 リーダーは男性です。女性は自ら動くことを慎み、男性の合図に応じて動きます。これは古くからの役割分担で一般的な関係です。
 男性も女性も熟練者であれば、この役割分担はうまくいくでしょう。
 男性が熟練者で、女性が初心者でもこの役割は守れます。
 しかし、初心者どうしであれば、リードとフォローどころではないので、男性の今後に期待します。
 難しいのは、男性初心者、女性熟練者の場合です。男性は踊りを知らないので、リードの仕様がありません。女性はリードしたくてもポジション自体がリードしにくいようになっているため、男性の肩や手に力を込めることになり、かえって踊りの崩壊を招きます。
 男性、または男性役の女性は、リードの仕方を時間をかけて練習することが必要です。

●リードとフォローの実習
 リードとフォローをゲームによって理解したいと思います。このゲームは、「鏡」というタイトルでレク・ゲームの一つです。レクでは反射神経のゲームですが、リード、フォローの練習にも使えます。

@二人組になって向き合います。
 ここでは特に男女の区別は必要ありません。

Aジャンケンをして、Aさん、Bさんを決めます。

BBさんは、鏡の役となり、Aさんは鏡に映す人の役をします。
 Aさんが右手を挙げれば、鏡であるBさんは左手を挙げます。右にステップすれば、鏡は左に行きます。左右が逆になりますが、動かす角度や長さ、スピードは同じです。ここで重要なことは、鏡が先に動くことは決してないということです。

CAさんの動作をBさんは鏡になり切って真似します。
 最初は意味が分かりにくいので、Aさんの動きを指導者が指示します。
 「Aさんは右手をゆっくりと前に上げてください」
 Aさんは、右手を上げ、Bさんは左手を上げることになります。右にステップ、拍手を3回、万歳、首を右に、という風に指示をし、Bさんは、鏡に徹してひたすらに動きます。
 出来るようになったら、自由にAさんに動いてもらい、Bさんは鏡を続けます。
 「Aさんは、Bさんが真似できないように動くのではなく、Bさんが動けるようにリードしてください。勝負ではありません。慣れてきたら、Bさんが楽しく真似できるように工夫してみてください」

D慣れてきたら、音楽に合わせて動きます。
 みんなが楽しく動き出したら、歩くテンポくらいの音楽をかけ、リズムに合わせて動いてもらいます。

EAさんとBさんの役割を交代して繰り返します。

●リードの練習
 フォークダンスでのリードは、目と手で行います。
 口には出しませんが、目で合図を送る時、「さあ、行きますよ」、「回ってください」、「ボックスです」という風に心の中で伝えると割と通じるものです。その時、女性も、「はい」という返事を目で返します。
 クローズド・ポジションに組んで、男性が左手を上げ、右手で女性の背中を押すとトワールのリードになります。


2008-11-10-001