チャミコス [Tsamikos]

 チャミコスとは、音楽のタイプの名称であり、リズムやムード、フレーズなどを表しています。
 また、踊りのスタイルやベース・ステップ、ムードも表しています。
 よってチャミコスは、固有名詞ではなく普通名詞です。
 チャミコスをギリシャの楽団にリクエストした時、
 いつも自分たちが例会やパーティーで踊るチャミコスを演奏してくれる確率は低く、
 「え!何、この曲!?」と戸惑うことになるかも知れません。
 日本では、イティアという曲名のチャミコスが多く踊られていますので、
 もし楽団にリクエストする機会があれば、「イティアを!」とリクエストする必要があります。
 チャミコスとは、音楽のタイプのことであり、その曲で踊られる踊りの名称です。
 ワルツ、ポルカ、メヌエット、ポロネーズなどと同じです。
 そして、ワルツなどと同様に、たくさんの曲が演奏され踊られています。
 代表曲には、イティア、パパラムブライナ、スティン・ケンディメニ・ソウ・ポディアなどがあります。
 このことは、シルトス、カラマティアノス、ハサピコス、ゼイベキコスなどの
 ナショナル・ダンスに共通しています。
 また、ゾナラディコス、ペントザリス、バロスなどの地方の踊りにも、
 踊りの名前、曲の名前のあるものがたくさんあります。

●チャミコスの特徴
 @オープン・サークルのW-ポジションの踊り。本来は男性舞踊。
 A3拍子が主で、1拍目と3拍目にアクセントがある。
 B右端にリーダーが立つ。リーダーが主人公で、リーダーは様々なヴァリェーションを繰り出す。
 C5小節、6小節、8小節の踊り方が主であるが、他にも踊り方がある。

 ツァミコスと表記する事もあります。
 チャミコスは、ギリシャ独立戦争中に、イピロス地方の山のゲリラ(クレフテス)が
 全ギリシャに広めた勇壮な踊りです(独立は1821年)。
 クレフテスの衣装は、フスタネーラ [ Foustanella ] と呼ばれる沢山のプリーツの入ったキルト・スカートです。

 名称は、チャム・アルバニアの人々(チャミデス)に由来しています。
 踊りのステップは、けわしい山中を往来する羊飼いの動作をあらわしているといいます。
 リズムは、ふつう3/4拍子、ときには2/4拍子や5/4拍子のこともあります。
 5小節単位、6小節単位と8小節単位の踊り方があり、8小節単位の踊りの方がより古風な踊り方です。
 本来はイピロス地方の踊りでしたが、南下して、テッサリア、ペロポネソス、
 その他の地方に踊りが伝わり、
 その土地にその地元のみに通用する様々なヴァリェーションを持つようになりました。
 ナショナル・ダンスとして、今日でも多くの方がこの踊りを楽しんでいます。
 踊りのスタイルには2つあります。
 大地を堂々と威厳をもって踏みしめるように踊るタイプと軽く弾むように踊るタイプです。
 後者の場合、ピディヒトス・チャミコスとも呼ばれます。
 伝統的なチャミコスの場合、リーダーだけが踊り、ライン・メンバーは歩いたり立っているだけです。
 ライン・メンバーの大きな役割は、リーダーにつきそい、リーダーを励ますことで、
 一方リーダーは、絶え間なく即興的なヴァリェーションを繰り出します。
 リーダーだけの踊りから、全員による踊りに変わってからも、リーダーの役割は強く、
 メンバーがベーシック・ダンスを踊っている時に様々なバリェーションを入れながら踊ります。
 最後の方に、昔の名残でリーダーだけが踊る場合もあります。
 しかし、最近日本で踊られているチャミコス(イティア)は、
 全員が同様のヴァリェーションを踊って楽しんでいます。
 各パートを4回づつといった風に構成も決まっており、リーダー・コールをしないで踊る様です。


●チャミコス [Tsamikos ]
 
 [動画-1] 4. TSAMIKOS (20 Original GREEK Dances)

●アゲロ [ Aggelo ]

●イティア [ Itia ]
 チャミコスの中でも、特に有名な曲です。
 イティアとは、「柳」のことですが、柳にたとえた恋の歌の様です。

エナス・アイトス [ Enas Aitos ]

オレス・オイ・ニエス・パントレヴォウンタイ [ Oles Oi Nies Pantrevountai ]

カイ・ミア・フォラ・エイナイ・フ・レヴェンディア [ Kai Mia Fora Einai H Levendia ]

カト・スト・バルトゥ・タ・ホリア [ Kato Sto Baltou Ta Horia ]

ケイ・ペラ・ブゲニ・エナス・カプノス [ Kei Pera Bgeni Enas Kapnos ]

●サラカツァニコ [ Sarakatsaniko ]

サランタ・パリカリア [ Saranta Palikaria ]

サランタ・メレス・ペルパト [ Saranta Meres Perpato ]

スティン・ケンディメニ・ソウ・ポディア [ Stin Kendimeni Sou Podia ]

●ダリアナ [ Daliana ]

●デスポ [ Despo ]
 本来のチャミコスは男性舞踊ですが、デスポは女性舞踊です。

ト・マルギオリコ [ To Margioliko ]

トウト・ト・カロカイリ [ Touto To Kalokairi ]

パイディア・ムギアティ・ステ・アナナガ [ Paidia M'Giati 'ste Ananaga ]

パパラムブライナ [ Papalabraina ]

●フェゲ・モウ・フェガラキ [ Fegge mou feggaraki ]

プロトマギア [ Protomagia ]

ポイオス・エクセイ・アラダ・シメラ [ Poios Exei Arada Simera ]

ポウ・ソウナ・ゴルフォ [ Pou 'souna Golfo ]

ボクサイティッサ [ Boxaitissa ]

マノウラ・セ・パラカロ [ Manoula Se Parakalo ]

モウ・タ・リクセス [ Mou Ta 'rikses ]