スコットランド



 スコットランドとは、「スクイト族の国」の意味。
 紀元前後、ローマ人は、この地の住民であるカレドニ族にちなんで、
 この地をカレドニアと呼びました。
 5世紀頃、アイルランドを漂泊していたスクイト部族が、
 この地に移住し、先住民カレドニ部族と混血しました。



Dance

●踊りの種類

●スコティッシュ・カントリー・ダンス[Scottish country dance]
 スコティッシュ・カントリー・ダンスとは、
 通常4カップル8人で踊られるロングウェイズ・フォーメーションのグループ・ダンスです。
 スコティッシュ・カントリー・ダンス(SCD)のルーツは、
 イングリッシュ・カントリー・ダンス(ECD)にあります。
 ECDがフランスに渡ってコントルダンスとなり、それがヨーロッパ中に流行しました。
 さらにフランスではコントルダンスが変化してカドリールとなり、
 カドリールもヨーロッパ中に広まりました。
 逆にイタリア、ポーランド、スペイン、ドイツなどの踊りがフランスに集まり、
 カドリールは成長しました。
 そのカドリールがスコットランドに渡り、イングランドから直接入ってきたECDと混合して
 発展したのがSCDだと言われています。

 音楽のタイプは、リール、ジグ、ストラスペイ、ワルツの4つがあります。
 リールは2拍子、4拍子系の速度の速い音楽です。
 ジグも速度の速い音楽ですが、こちらは6/8拍子です。
 ストラスペイは、ゆっくりとした演奏による4/4拍子の音楽です。ワルツは3拍子です。

 スコティッシュ・カントリー・ダンスは、セットと呼ばれる隊形で踊られます。
 通常は4組のカップルのものが多く、他にも3組のもの、5組のものなどがあります。
 男性が横に並び、その前に女性が立つ並び方が多く、
 男性の左端の組がファースト・カップル(1組)となります。
 1組は、楽団や音響セットなどに近い方に立ち、2組、3組、4組がその横に並びます。
 この音響側をトップといい、反対側をボトムといいます。
 イングリッシュ・カントリー・ダンスと同様に
 スコティッシュ・カントリー・ダンスも参加者全員が平等に役割を演じます。
 4組のセットで踊る場合、まず1組が主役となり、2〜4組が脇役になります。
 1組の主役が終わると、次に2組が主役となり、3組、4組と続けます。
 一回のシーケンスを小節(バース)単位で数えます。
 通常は、32バースが主流です。
 4組で踊る場合は、各組が2回づつ主役を務める構成が多いので、
 8回同じ踊りを繰り返し、最初の隊形に戻って終わります。
 イングリッシュ・カントリー・ダンスのステップは、通常ウォークを主にしたものですが、
 スコティッシュ・カントリー・ダンスは、特別なステップを用いて踊ります。
 リールとジグは、同じステップで踊られます。
 移動のためのスキップ・チェンジ・オブ・ステップ、横へと移動するスリップ・ステップ、
 その場で指定された人と向き合って行うパ・デ・バスクの3つです。
 ストラスペイのステップは、移動のためのトラベリング・ステップ、
 指定された人と向き合って行うセッティング・ステップの2つです。
 これらのステップは、修得した者に習い練習する必要があります。

★リール

★ジグ

★ストラスペイ

★ワルツ

 ○ワルツ・カントリー・ダンス
  デュープルマイナー・セットの踊りです。日本でもよく踊られている踊りです。


●ハイランド・ダンス [Highland dance]
 タータンチェックのキルト姿で、両腕を高くかかげ、ホップやリープを多用し、
 キビキビとした足さばきで踊られるもので、写真や映像でよく紹介されています。
 本来は、軍人の踊りでしたが、現在では一種の芸術舞踊として、
 ステージなどの見せる踊りとして人気があります。
 各地に専門の指導者がいて、バレエのように基本から指導しています。
 ハイランド・ゲームと呼ばれるお祭りでは、ハイランド・ダンスのコンテストが行われます。

 ○ハイランド・フリング [Highland Fling]
  ハイランド・ダンスの基本の踊りで、
  ハイランド・ダンスは、フリングに始まり、フリングに終わるといわれます。
  普通、6〜8つのステップをその場でソロで踊ります。
  音楽は、ストラスペイの曲を使います。


●ソード・ダンス [Sword Dance]
 イングランドのソード・ダンスは、踊り手が剣を手に持って踊りますが、
 スコットランドでは、2本の剣を床に十字に置いて、
 その回りを1人、または4人で踊ります。
 踊りのあいだに剣に触れることはタブーとされ、競技中では失格になります。
 元は、軍人の踊りでした。技術的にはハイランド・ダンスと同様です。



●カップル・ダンス

 ○ゲイ・ゴードンス [ Gay Gordons ]
  ポルカ。
  「快活なゴードン氏」の意味で、農民の踊りです。

 ○コール・ツー・ザ・パイパー [ Call to the Piper ]
  「バグ・パイプ奏者への呼びかけ」の意味。

 ○ザ・ロバーツ [ The Roberts ]
  ツーステップ。
  6/8拍子。
  スコットランドに古くから伝わる踊りで、ロバーツとは人の名前です。
  この曲は、ミリタリー・ショーティッシュ、フレンドシップ・ミクサーなどの
  他の踊りの音楽としても使われています。

 ○ボニー・ダンディー [ Bonnie Dundee ]
  「美しきダンディー地方」の意味。