セルビア


Serbia
国 名 セルビア共和国
「セルビア人」の意味。
首 都 ベオグラード
人 口 940万人(2005年)
面 積 88,361km2
民 族 セルビア人 83% 
言 語 セルビア語 (公用語)
宗 教 セルビア正教、イスラム教




Serbia

○セルビアについて
 バルカン半島中央部にある共和国です。
 旧ユーゴスラビアの政治・経済の中心をなしました。
 14世紀からオスマン‐トルコの支配下にありましたが、1918年に周辺他民族とともに独立し、
 王政を経て45年にユーゴスラビア連邦人民共和国として社会主義国となりました。
 90年代に、スロベニア・クロアチア・ボスニア‐ヘルツェゴビナ・マケドニアが分離独立、
 2006年にモンテネグロが独立しセルビアは内陸国となりました。
 2008年2月には、コソボ自治州が独立を宣言しました。

Dance

 ユーゴスラビアの踊りの基層は、セルビア語でコロ [Kolo] と呼ばれるチェーンダンスです。
 踊りの拍子は、2拍子が中心ですが、東セルビアには複合拍子の踊りも存在します。
 コロは、普通オープン・サークルで、右に左に前後に、2〜3のパターンで構成されています。
 移動は小さく、常に上下動があり、背筋を伸ばして踊ります。
 ヴランヤンカ系、チャチャック系は5小節単位ですが、ほとんどの踊りは4小節単位です。



●ウ・シェスト [ U Sest ]
 ココニェシュテ・タイプの踊りで、モラヴァッツ・コロと同様の踊りです。
 アタナス氏の紹介によって日本でも踊られています。

●ヴォイヴォダンスコ・コロ [ Vojvodansko kolo ]

●ウジチュコ・コロ [ uzicko kolo ]

●ヴライナ [ Vlajna ]

●ヴラシュコ [ vlasko ]
 ヴラフ人 [ Vlah ] の踊りのこと。
 ヴラフ人とは、アルーマニア人 [ Aroman ] とも言い、
 南バルカン半島に移住するラテン系の言葉を使う少数民族です。
 バルカン半島を支配していたローマ帝国時代の市民が、
 スラブ民族からの攻撃から逃れ、山奥などに移動した人々です。
 よって、ブルガリアのバルカン山脈山中、クロアチアの内陸部、
 マケドニア、ギリシャなどの山中などに点在しています。
 ただし、地方によって、若干ヴラフ人の定義は異なります。
 セルビア、ブルガリアでは、ルーマニア系の人々もヴラフ人と呼ぶ傾向もあります。
 ですから、このヴラシュコもルーマニア系の踊りととった方がいいかも知れません。

●ヴランヤンカ [ Vranjanka ]
 5小節単位の踊りです。
 拍子は、3拍子、7拍子など。

●エアスコ・コロ [ Ersko kolo ]

●ココニェシュテ [ Kokonjeste ]
 2拍子系、シングル・サークルの踊り。
 右に2歩移動して、スリーズをその場で3回踏む、
 これを左方向に繰り返す、という単純な踊りです。

●シェストルカ [ Sestorka ]
 シェストルカは、東セルビアニサヴァ [ Nisava ] 川流域の代表的な踊りの一つで
 主に羊飼いによって踊られました。
 踊りの中に見られる力強い右左のバランスは、古くは一種のテストとして存在し、
 リーダーの即興により、バランスをくずしたものこけた者など、下手な踊り手を除外しました。
 ステージの場合など、このバランスの時によく「イッハ!」などと言いますが、
 本来はこのようなかけ声はかけないそうで、リーダーだけがたまに他のダンサーに向けて何か言うそうです。
 セルビアン・メドレーの7番目の踊りとして有名です。

●シェトンヤ [ Setnja ]

●シュマディイスコ・コロ [ Sumadijsko kolo ]

●ショプスケ・イグレ [ Sopske igre ]

●ショプスカ・トロイカ [ Sopska trojka ]

●ショプスコ・トロイノ [ Sopsko trojno ]

●スルビヤンカ [ Srbijanka ]

●チャチャック [Cacak]
 「乾いた土」の意味。
 地域名だという説も。
 2拍子、5小節単位の踊りです。
 たくさんのヴァリェーションがあり、リーダー・コールによって踊ります。
 日本でも、踊られますが、パーティーなどでは、
 単曲で踊るよりもセルビアン・メドレーの中で踊られることが多いようです。
 ベラ・ラダ、ゴデチュキー・チャチャク、シロバチコ・オロなどの踊りがあります。

●ティ・モモ [ Ti Momo ]

●デヴォヤチコ・コロ [ Devojacko kolo ]

●ベラ・ラダ [ Bela Rada ]
 チャチャク系統の踊りで、意味は「美しいラダ」です。

●ポスコック [ Poskok ]
 ショーティッシュ・タイプの踊り。
 ステップ・ホップ×2+ステップ・ステップ・ステップ・ホップを右と左に行うパートと
 ショーティッシュを繰り返すパートの2パート構成の踊りです。
 ポスコックの踊りで有名なものに、セルビアン・メドレーの2曲目の踊りと、ミラノヴォ・コロがあります。

●モラヴァッツ・コロ [ Moravac Kolo ]
 ココニェシュテ・タイプの踊りです。
 たくさんのヴァリェーションがあり、リーダー・コールにより踊ります。
 日本でも、踊られており、セルビアン・メドレーの中の一曲としても有名です。

●ルサリ [Rusalii]
 若者によるちょっと変わった儀式の踊りで、剣を持った男たちがチェーンになってねり歩き、
 跳びあがり、空中に剣を振ります。
 この空を切る剣の音が重要で、よそ者を儀式に近づかせないために行います。
 この剣の音を ウィフリング [Whiffling] といいます。


●コソヴォの踊り


●ロマの踊り
 セルビアに住むロマの人々の踊りです。
 南セルビアに多く住んでいます。
 オスマントルコの軍隊の影響を受けた、ブラスバンド形式の音楽が有名です。


○2009-06-27