フォークダンス用語集


 ク
○クーラント [ Courante ]
 フランス。
 3/2拍子あるいは、6/4拍子による、フランス起源の宮廷舞踊。

○クエッカ [ Cueca ]
 アルゼンチン。
  6/8拍子のリズムに乗せて、男女のペアがハンカチ(panuelo)を振りながら踊る。
 男女が1対1で向かい合い、右手に白いハンカチを持ち、円を描くようなステップで踊る。はっきりと定まったステップがあるわけではなく、曲にあわせて適当に踊られる。手をつないだり組んだりする事はあまりないが、アップテンポの曲の場合、男性が女性の肩を軽く抱く事がある。この踊りは、雄鶏と雌鶏の求愛の姿を踊りにしたものだと言われる。

○クヤビヤク [ Kujawiak ]
 ポーランドのナショナル・ダンスのひとつ。
 3/4拍子。
 クヤビ地方のスローテンポの踊りで、比較的近代(19世紀)に生まれた。同じナショナル・ダンスのオベレックと交互に踊られることが多い。ステップを見るとやさしく感じるが、特徴を修得しなければクヤビアクを踊ったことにはならない。
 元来、恋人同士の踊りである。

●クヤビヤク [ Kujawiak ]
 ポーランドのナショナル・ダンスであるクヤビヤクのステップを解説する。

 クヤビヤクのベーシック・ステップ
 左膝を曲げて右足でやや大きめにステップする(ct.1)
 両膝を伸ばして左足を小さくステップ(ct.2)
 左膝を少し曲げて右足を小さくステップ(ct.3)
 ダウン(大)、アップ、ダウン(小)の動きになる。
 つま先を60度程開いた状態を保ち、小指のつま先から着地するようにステップする。

●クシェサニィ
 ポーランドのクラコビヤクのステップ。
 左足からの場合は、曲げた右膝を伸ばしながら左足を前にブラッシュ(ct.1)、後ろにブラッシュ(ct.2)、その場で左右左とスタンプ(ct.3&4)。
 右足からも同様に行なう。

●グライド
 ボールで床をすりながら足を移動させること。

○グラオフスコ・ホロ [ Graovsko Horo ]
 ブルガリア、ショプ地方、グラオヴォ町の踊り。
 ショプ地方の代表的な踊り。

クラコビアク [ Krakowiak ]
 ポーランドのナショナルダンスのひとつ。
 2/4拍子のカップル・ダンス。
 非常に勇壮活発な踊り。
 踊りはリーダーの合図により、次から次へとフィギュアが変えられ、定まった踊り方はない。
 クラコビアクの名は発生地であるクラコウからきている。

●クラコビアク [ Krakowiak ]
 ポーランドのナショナル・ダンスであるクラコビアクのステップを解説する。

スライド
 通常のスライド・ステップよりも活発に行なう。
 すなわち、左足を左にステップ(ct.1)
 右足を左足に鋭くクローズすると同時に両足でライズする(ct.&)
 以上を連続して行ない、側進する。
 ダウン・アップの動きになる。
 この時のポジションは、男女が向き合って立ち、男性右手で女性の腰を支え、男性左手を斜め上に手のひらを上に向けて伸ばす。
 女性の左手は男性の右肩、右手は腰に置く。

ホービエッツ [Holubiec]
 一人で行なうステップ。
 左足でホップし右踵を左踵に打ち合わせる動作を2回行ない(ct.1-2)、その場で膝を曲げた状態で右左右とスタンプする(ct.3&4)
 この時の手は、両手を腰に置いた状態からはじめ、ct.1 で左手を左斜め上にあげ(ct.1)、ホールドし(ct.2)、スタンプの時に上げた手を腰に持ってくる(ct.3&4)。

クシェサニィ
 曲げた左膝を伸ばしながら右足を前にブラッシュ(ct.1)、後ろにブラッシュ(ct.2)、その場で膝を曲げて左右左とスタンプ(ct.3&4)
 ブラッシュは激しく行なう。
 この時のポジションは、左腰を接して立ち、左手をパートナーの前で右腰に置き、ct.1 で右手を右斜め上に伸ばす(ct.1)、ホールド(ct.2)、スタンプの時に右手を下げ右腰接近のポジションに変える(ct.3&4)。

クロス・ハンド・ターン
 右手どうし、左手どうしをとりあい(右手上)、お互いが腕を伸ばして引き合いながら、スライドでCCW、CWに回転する。この時、両膝を曲げ膝から頭までを一直線になるように保つ。

●グランド・チェーン [ Grand Chain ]
 グランド・ライト・アンド・レフトと同じ。

○クラント [ Courante ]
 フランスの舞曲。

○グランチャルスコ [ Grancarsko ]
 ブルガリアのホロ。
 陶器づくりの踊り。

●グランド・ライト・アンド・レフト [ Grand Right and Left ]
 多数(通常4カップル以上)がシングル・サークル上に男女交互に並び、男性と女性が向き合う。
@向かい合った人と右手をとり、少し前進。
Aすれ違う時に右手を離し、少し前進。
B次の人(異性)と向い合い、左手をとり、少し前進。
Cすれ違う時に左手を離し、少し前進。
 これを指定された回数くりかえす。

●クリック [ Click ]
 右足で軽く跳び、空中にて左ヒールを右ヒールに打ちつけること。

○クリティコス・シルトス [ Kritikos Syrtos ]
 ギリシャ、クレタ島のシルトス。
 この踊りをベースにして、ミザルー、ネバー・オン・サンディーが作られた。

○クリハルマ [ Crihalma ]
 ルーマニア、トランシルバニア地方の女性舞踊。

●グループ・ダンス [ Group dance ]
 3人以上のグループが1つのまとまりとなって踊る踊り。
 踊りにより人数が決まっているのが通常である。
 チェーン・ダンスやライン・ダンスも3人以上で踊るが、通常はグループ・ダンスには含めない。

○クルチュ・カルカン [ kilic kalkan ]
 トルコ。
 オスマンによる街の支配を題材にした、剣と楯を使ったブルサのダンス。男性舞踊で、初期のオスマンの軍服を着て踊る。音楽は使わず剣と楯の触れ合う音に合わせて踊る。

●グレープ・バイン・ステップ [ Grapevine step ]
 側進に限る。
 右足を左足の前にステップ (ct.1)、左足を左にステップ (ct.2)、右足を左足の後ろにステップ (ct.3)、左足を左にステップ (ct.4)。これをくりかえす。
 反対方向にも行なう。
 動作開始の足、位置は、踊りによって異なる。
 バイン・ステップ、マイム・ステップともいう。
 (例)コリード、マイム・マイム

 
○クレフテス [ Kleftes ]
 ギリシャ、イピルス地方の踊り。
 クレフテスというのは、人里離れた場所に住む山賊のことであるが、時にはトルコ軍と戦う義賊でもあった。
 3/4拍子、男女ミックスのオープン・サークル。クレフテスの後にスタ・ディオの踊りを続けて踊ることが多い。

○クレズマー [ Klezmer ]
 東ヨーロッパに住んでいたユダヤ人たちの音楽。ユダヤ人だけでなく、ロマの人々も演奏した。

●クローズ [ Close ]
 右足を左足に引き寄せること。
 通常は、床にふれながら引き寄せ、体重を半分右足にかける感じとする。
 引き寄せた右足に体重を移すことも、全く体重をかけない場合もある。
 なお、「右足を左足のそばにステップ」という時には、足は床からはなしてステップし、体重を移しかえる。これは、クローズとは異なる。

●クローズド・ポジション [ Closed Position ]
 パートナーと向かい合う。
 男性は右手をパートナーの左肩甲骨下におき、女性は左手をパートナーの右肩におく。男性の左手、女性の右手は連手して横(男性の左)に伸ばす。


●クロス [ Cross ]
 交差。
 他の足と交差させる。通常は体重をかける。

 
●クロス・オーバー [ Cross Over ]
 イングリッシュ・カントリー・ダンス、スコティッシュ・カントリー・ダンス
 指示された二人が位置交代を行う。
 通常、右手を取って位置を交代するが、手を取らずに右肩パスで位置交代する場合もある。

●クロス・ハンド [ Cross Hands ]
 指示された二人が向き合い、右手どうし、左手どうしを交差し、両手をとること。

○クロッグ・ダンス [ Clog Dance ]
 イングランド。
 底が木でできた靴をはき、上体をまっすぐに保って、両腕は横にたらし、足だけで床を叩く様に動かして踊る。

○クロッグ・ダンス [ Clog Dance ]
 アルプス圏。
 牧童たちに伝わる踊りで、木製の靴を使ってタップダンスのように床を打ち鳴らしながら踊るもの。

●クロックワイズ [ Clockwise ]
 時計回りのこと。右回り。