フォークダンス用語集


 ア
●アーミング [ Arming ]
 イングリッシュ・カントリー・ダンス。プレイフォード・ダンスの主要なフィギュアの一つ。
 アームとも言う。
 指示された二人が、互いに近寄り、右手(左手)の二の腕を持って回転すること。
 右手でのアーミングをアーミング・ライト、左手でのアーミングをアーミング・レフトという。

●あいさつ [ Greeting ]
 パートナーや向かい合った人などとあいさつすることが、踊りの中でよく出てくる。
@特に指定がなければ会釈する。
  顔を見あわせて、にっこりと微笑む。
  軽くうなずいてもよいし、声をかけてもよい。
  女性は、軽く膝をまげてもよい。
Aバウ(男性)
  上体をやや前に傾け、軽くうなずく。顔は会釈。
Bカーテシー(女性)
  両手でスカートをとり、片足を少し後ろにずらし、両ひざを曲げる。
  顔は会釈。
C踊りに組みこまれている場合は、それに従う。

●アイソレーション [ Isolation ]
 分離のことで、首、肩、胸、腰などの一部分を独立させて動かすこと。

●アイ・コンタクト [ Eye Contact ]
 目と目を合わせること。
 目で合図しあうことで、リードとフォローを感じあい、つながりを強調し、踊りを深く表現する。

○アイス・ヨルイス [ Ais Giorgis ] [ Ai Georgis ]
 ギリシャ、イオニア諸島のコルフ島(ケルニア)のチェーン・ダンス。イタリアに近いため、音楽はイタリアの影響を受けている。
 女性の踊りで、長いスカートを着て踊る。 各々が大きな絹のスカーフを半分に折って三角形を作り、その2辺を左右の手で持つ。V-ポジションで前方に低く保ち、隣の人との連手は小指によって行う。こうして、スカーフによって作られたラインを上下に動かしながら踊る。
 復活祭日以後、通常聖ジョージの祭日に踊られた。名称も「聖ジョージ」の意味。

●アクセント [ Accent ]
 強調。
 リズムにおけるアクセント、踊りとしてのアクセントなど。

●アクロス [ Across ]
 横切ること。
 軸足を横切ってステップすること。

●足
 通常は踵より以下の接地部を足とする。
 下肢全体については、脚と表現する。

●脚
 下肢全体を指す。
 踵より以下の接地部については、足と表現する。

●足の第1ポジション
 両足のヒールをつけた状態で立つ。その踊りのスタイルに合わせ、パラレル(並行)、30度、90度、180度に脚を開く。
 この時、足(接地部)の部分のみを開くのではなく、脚全体を開く。すなわち、股関節を開き、膝とつま先を同方向に向ける。足のポジションを作る上で非常に重要なことである。


●足の第2ポジション
 両足を開いた状態で立つ。通常両足は肩幅で開く。

●足の第3ポジション
 左足の土踏まずのところに、右足のヒールをつけた状態で立つ。
 左右反対の場合もある。

●足の第4ポジション
 右足を左足より前方におく。
 右足に体重をかけることも体重をかけないこともある。
 左右反対の場合もある。

●足の第5ポジション
 左足のトーのところに右足のヒールをつけた状態で立つ。
 左右反対の場合もある。

●アセンブル [ Assemble ]
 スコットランドのハイランド・ダンスのステップ。
 一方の足で跳び上がり、両足で着地する。着地した時の足のポジションは、第3か第5である。

●アップ [ Up ]
 ロングウェイズ・フォーメーションで、ボトム側からトップ側に移動すること。

●アーナー [ Honor ]
 挨拶のこと。オーナーともいう。

●アパート [ Apart ]
 ラウンド・ダンスの用語。
 離れること。

●アーム・ターンズ [ Arm Turns ]
 お互いに二の腕をとって回ること。

○アラゴネーズ [ Argonaise ]
 スペインのアラゴン地方の踊り。

○アルカン [ Arkan ]
 ウクライナ、カルパチア山脈地方に住むフツル族の伝統的な男性舞踊で、焚き火のまわりで踊られる。
 T-ポジションで、基本的には、右方向にダイナミックに進みながら踊るライン・ダンス。右端にリーダーが立ち、右手に斧を持って全体をリードする。リーダーが多くのヴァリェーションからフィギュアを選び、メンバーに指示しながら踊る。 
 基本の動きは、バルカン・ベーシックである。

○アルゼンチン・タンゴ [ Argentine Tango ]
 アルゼンチン。カップル・ダンス。
 19世紀の半ばにブエノスアイレス付近のラ・プラタ川流域、ラ・ボカ地区で生まれたとされる音楽とダンスの一形態。ガンドンベ、ミロンガ、ハバネラなどの複数の音楽が混ざり合って誕生した。20世紀初頭にラテンアメリカで普及し、1912年ごろアメリカに紹介され、最初はいかがわしいダンスとみなされたが、現在ではむしろ変化にとんだ身のこなしとロングステップを特徴とする、優雅なダンスとされている。
 そのリズムは、アフリカの踊りに起源があるとされ、キューバのダンス、ハバネラから影響をうけている、2拍子の歯切れのよい独特なリズムである。
 日本では、アルゼンチンからヨーロッパにわたって発展したタンゴをコンティネンタル・タンゴとよび、本場のアルゼンチン・タンゴと区別している。

○アルマンド [ Allemande ]
 ドイツ。
 16世紀に起こった2拍子系の輪舞。17世紀にフランスに入ると4拍子に、18世紀には、3拍子に変化した。アルマンドとは、フランス語で「ドイツ風」の意。

○アルネルー [ Alunelul ]
 ルーマニア、オルテニア地方の踊り。2拍子のライン・ダンス。
 ルーマニアからブルガリア北部で踊られている踊りで、村によって踊り方が異なる。

○アレクサンドラ [ Aleksandra ]
 リトアニア。カップル・ダンス。
 カップル・ダンス。ロシア帝国の影響を受けた踊り。

○アレグリア [ Alegria ]
 スペイン、アンダルシア地方の舞曲。
 フラメンコの中で最も華麗で、難しい踊り。

●アレマンド [ Allemand ]
 男女ともフォアアーム・グリップでひとまわりすること。フォアアーム・グリップとは、二の腕をとることをいう。
 アレマンド・レフト(左回り)、アレマンド・ライト(右回り)がある。 

○アレワンダー [ Allewander ]
 スイス。
 フランスのアルマンドがスイスで流行したもの。アレワンダーとは、アルマンドがなまった言葉である。

●アンクルン [ Angklung ]
 インドネシアの竹製の打楽器。

○アントルメ [ Entremets ]
 14世紀に流行した踊り。
 アントルメは、現在はケーキなどを差すが、当時は、宴会の余興で給仕が料理を運びながら踊ることを言った。

○アン・ドロ [ An Dro ]
 フランス。ブルターニュ地方。「回転」の意味。
 2/4拍子。小指連手によるチェーン・ダンスで、腕と手の上げおろしがある。